投資におけるリスクって?1
元ファンドマネージャーの経験から、プロの世界での常識を個人投資家の方にわかりやすくお伝えします。
前回、個人のリスク許容度に応じた投資が重要とのお話をさせていただきました。
リスクという言葉は、リスク分散などと良く使われていますが、はっきりと意味がわかっているかと聞かれると、結構曖昧だと思います。
リスク許容度の話をする前に、今日は、そのリスクの正体を明らかにしたいと思います。
リスクというと、損失を出す確率のことと理解している方は多いと思います。
が、これ、誤りなんです。
投資の世界では、どれだけ変動するか、をリスクと呼んでいます。
プラスへの変動であっても、マイナスへの変動であっても、変動率が高ければリスクが高い資産、という言い方をします。
例えば、Aという資産に投資をしていて、昨日のパフォーマンスが0.5%マイナス、今日は2.5%プラス、明日は1.5%マイナスだったとします。
この資産の変動率を計算してみましょう。
変動率を計算する際には、まず「変動の平均」を出す必要があります。
上下どちらも変動とみなされますので、プラスとマイナスの符号を取っ払ってしまって、
数値だけの平均を取ります。
この3日間のパフォーマンスのプラスマイナスの符号をとったら、0.5と2.5と1.5ですね。この3つの平均は1.5%です。