お金が貯まる人の「お金」と「時間」の捉え方とは?
おはようございます。
資産運用学教授の長岐(ながき)です。
私は、銀行員だった経験に基づき、お金に関する基本的なことを分かりやすく、お伝えしていきます。
お金は経営者、時間は従業員
人生の持ち時間は、生まれた時が最大で、どんどん少なくなっていきます。
若いうちは、持ち時間はいっぱいありますが、お金はあまりありません。
時間があるから、アルバイトなどをしてお金を稼ぎ、就職してからも自分の時間を働くことに使ってその対価としてお金を得るという生活を送ります。
現在の日本人の平均寿命は平成24年度の調査で、女性は86.41歳、男性は79.94歳ですから、だいたい40歳頃が人生の折り返し地点となります。
40歳を過ぎると、残りの人生はだんだん少なくなっていきますが、反対にお金はある程度貯まってきているでしょう。
その後も、60歳で定年を迎えるまでは、仕事を続ける限り、お金は増えていきます。
定年後、収入が無くなってからは、それまでに貯めたお金を使う生活が始まります。
お金を支払って、サービスを受ける機会が増えることになります。
この、人生の残り時間とお金の関係は、単純に考えると反比例しています。
人生の前半は、自分の時間を売って、その対価として他人からお金をもらう。
人生の後半は、他人の時間を買って、その対価として自分のお金を支払う。
お金と時間の関係は、企業における経営者と従業員の関係で考えると分かりやすいと思います。
経営者(雇用する側)は、「お金に換算すると○○円の仕事です」と提示し、従業員(雇用される側)は納得して働き、そのお金を得ます。
経営者は従業員の時間をお金で買っているということになります。従業員側から見るとその逆ですね。
自分の時間を売ってお金を手に入れているのです。
資本主義の考え方では、他人の時間を買う人がすなわち経営者ということになります。
いい借金=時間をお金で買うこと
もう一つ、お金と時間の関係として「借金」があります。
借金というのは、実は時間を買うのと同じ行為なのです。
借金にもいい借金と悪い借金があるので、すべてがそうとも言えないのですが、少なくとも「いい借金」は「時間をお金で買っている」のと同じ意味を持ちます。
それは、経済用語で言うところの「割引現在価値」という考え方で説明できます。
割引現在価値というのは、将来のお金を現在の価値に割り引いて考えると、どのくらいになるかということです。
例えば100万円を金利1%で定期預金に預けたとします。
その場合、1年後には預金は101万円に増えます。
これを逆に考えてみてください。
1年後の100万円は、現在だといくらになるのか?単純計算すると、約99万円になります。
1年で増える1%を割り引いて出した数字、これが割引現在価値です。
1年という時間の価値が1万円ということです。
給料の前借りで考えると、もっとわかりやすいかもしれません。
来月の給料20万円を、1カ月前に前借りするとしたら、時間の割引を受けてそのまま満額ではもらえないというケースを聞いたことはありませんか。
1カ月後の20万円を今支払うとしたら、時間の価値が引かれて低い金額になってしまうのです。
一見、なんだか損しているような気にもなりますが、1カ月先ではなく今お金が手に入るということに価値があるという場合もあります。
割り引かれる金額と受け取る時期をはかりにかけて、たとえ少ない金額でも今すぐに受け取ることに価値がある、引かれる金利分よりも大きいリターンが望めると判断できるなら、それは「いい借金」です。
何年先までの計画を立てるべきか?
お金と時間の関係というのは、このように切っても切れないものです。お金について考える時には、同時に時間について考えなければなりません。
もう一つ、お金と時間を考える時に大切な要素があります。それは長期的な視点です。
銀行員はお金を貸すのが仕事です。
ですが、お金を貸したことは仕事の始まりに過ぎず、貸したお金をきっちり回収するまでが仕事だと考えています。
よい仕事をしたかどうかは、貸したお金が決められた期間の後に予定通りすべて返済されたかどうかで決まります。
点ではなく線で見て判断する、という感じでしょうか。
一方借りる側は、借りた時点で「完了した」という気持ちになってしまいます。
あまり先のことまでは考えないようです。
この点は、借りる側と貸す側で大きな隔たりがある部分で、トラブルの原因にもなりがちです。
点ではなく線で考えるという習慣が銀行員の長期的な視点を育てます。
長いスパンで物事を考える習慣を持つ銀行員は、仕事だけでなく他の面でも長期的展望を持って行動できるようになります。
これが、お金が貯まる行動に結びついていることは、間違いありません。
お金の貯まる人ほど、20年先くらいまでの計画を立てている人が多いようです。
1年後のイメージ、5年後、10年後のイメージ、どんな自分になっていたいかを具体的にイメージしている人は、そのイメージに沿った行動ができるようになります。
その行動の一つひとつが、将来に向かっての種まきとなるのです。
あなたも早速、20年後の計画を立ててみませんか?具体的にイメージすることが大切です。
貯金額はどれくらい、どんな家に住んでいたい、どんな車に乗っていたい、どんな暮らしをしていたい・・・
などを紙に書き出してみると、より一層イメージが確かなものになり、普段の行動がそのイメージに向かって変わっていきます。
*この記事以外にもコラムをアップしています。その他コラムはインベスターズギルドのコラムサイトでご覧ください。http://investorsguild.jp/column/time-money/
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