リスクを取らないリスク1
今日は、「リスクを取らないリスク」についてお話ししたいと思います。
インフレ率を示す代表的な指標に、コアCPIがあります。
変動が激しい生鮮食品を除いた消費者物価指数のことです。
アベノミクスは、このインフレ率を2%にすることを目標として掲げ、今その達成に向けて様々な手を打っています。
そのお影もあり、日銀は4月末に公表した「経済・物価情勢の展望」レポートで、16年度前半には2%位の物価上昇率が実現すると発表しました。
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インフレ率が目標の水準まで上昇するとどのようなことが起こるのでしょうか。
今100万円の車を変えるだけの現金、つまり100万円を持っているとします。
インフレというのは、昨年の物やサービスの値段対比で今年の物やサービスの値段が何%上昇したかを示すものなので、毎年複利で増えていくのと同じことになります。
インフレが今後30年、2%で推移すると仮定すると、100万円の車は35年で200万円を超えます。
一方、100万円の現金を貯金しておいた場合、35年経っても100万円のままです。
単純に考えて、35年後の生活水準は、大事に貯金していても、半分になってしまうのです。