一部の人しか知らない「お金の正体」とは?

おはようございます。
資産運用学教授の長岐(ながき)です。
私は、銀行員だった経験に基づき、お金に関する基本的なことを分かりやすく、お伝えしていきます。

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日本人は「お金の教育」が不十分

一度原点に立ち返って「お金」について考えてみたいと思います。

というのも、毎日の生活はもちろん将来の人生設計においてもお金というものは絶対に欠かせない必要不可欠のものであるというのに、お金の意味について考える機会があまりにも少ないという現実があるからです。

 

そもそも、お金の意味・使い方・増やし方について、きちんと教えてくれる場や機会が日本ではほとんどありません。

お金のことを話題にするのはみっともない、という風潮も根強く残っています

 

最近になってようやく「子どもの頃からお金についての教育が必要だ」という流れも出始めて、ファイナンシャルプランナーによるお金の授業などがイベントとして開催されることも増えてはきましたが、まだまだ一部にとどまっているようです。

 

ですから、多くの子どもたちは、自分の親の金銭感覚をそのまま受け継いで大人になっていきます。

子どもの頃の生活環境や、親のお金に対する態度を知らず知らずのうちにスタンダードなものだと思いこんで成長していくのです。

お金の持つ3つの役割

私自身、実際に社会に出て自分でお金を稼ぐようになってからも、改めてお金について考えることはなかったように思います。

その必要を感じなかったというのが正直なところです。

はじめて「お金とは何か?」と深く考えるようになったのは、転職して銀行員になったのがきっかけでした。

 

そもそもお金とは何か?まずはその基本です。

お金には3つの役割があります。

 

・「交換する」手段としてのお金

・「価値を測る」手段としてのお金

・「価値を貯める」手段としてのお金

 

です。お金はこの3つの役割を担うために生まれ、今も存続しています。

 

太古の原始社会をイメージしてください。

その頃は「お金」は存在せず、人びとは自分が欲しいものを得るためには自ら狩猟に出かけて手に入れるしかありませんでした。

そして山から採ってきた果実と海で獲れた魚貝を交換するというような「物々交換」が始まります。

 

ですが、互いのニーズがぴったりと収まることは少なかったのではないでしょうか。

自分が欲しいものを相手が十分には持っていない、あるいは相手が望むものを自分が持っていないから、交換してもらえない。

苦労して獲ってきた魚なのに、思ったよりいいものと交換できなかったという不満を抱えることも多かったと思います。

 

さらに、「もの」は、いずれは腐ったり崩れたりして元の価値を失ってしまいます。

手に入れた時の価値が永遠には続きません。

一度にどんなにたくさんの、たとえば魚の収穫があったとしても、その価値は、暑い時期ならたった一日程度で消滅してしまうのです。

銀行員にとって100万円はただの「紙の束」

このような時代を経て、

 

「いつでも誰にとっても客観的価値が同じで」

「欲しいときに欲しいものと交換ができて」

「保管しておいても価値を失わない」

ものとして「お金」が生まれました。

 

お金の本来の使われ方は「必要なもの、欲しいものを必要な時、欲しいときに手に入れるための共通の目に見える約束ごと」だったと言っていいでしょう。

 

ところが、そのお金が今や、時には人生までも大きく左右するような重要なものだと思われています。「命よりお金が大事」なんて極端なことを言い出す人までいるくらいです。

 

でも、本来は私たちがお互いに約束している、単なる「記号」に過ぎません。命より大事、なんてことは本来のお金の意味から考えるとおかしな話です。

お金に過度の期待を抱かないために、また必要以上の価値を与え過ぎないためにも、「お金は記号である」という、この原点に立ち戻ってみることが大切です。

 

私を含め、銀行員たちは「お金は記号である」ということを当たり前のように認識しています。

だから、業務の中で億単位のお金を扱う時にも惑わされることなく自分を律することができるのです。

 

銀行員はお金に対してクールな態度で付き合います。

100万円の束なんて、単なる「紙の束」にしか見えないと銀行員は感じています。

一般の人が100万円の束を手にした時の興奮とは全く正反対の反応です。

お金に対して特別な感情を入れないからこそ、冷静にフラットにお金に向き合えるようになるのです。

 

お金を増やしたい・貯めたいと望む人は、銀行員のようなフラットな態度を身につける必要があります。

そのためには「お金自体に価値がある」というこれまでの意識をリセットすることが重要です。

 

「そんなことを言われても、でも、お金って価値があるよね?」と思われるかもしれません。

ここで言いたいのは、お金の持つ価値はお金自体の価値とイコールではないということです。

 

簡単な例でお話すると、無人の孤島に流されてしまった場合を考えてください。

そこで一億円の入った鞄を見つけても、なんに役にも立ちませんよね。

それよりは水や食べ物などが必要です。

 

つまり、お金は自分の欲しいものを得るために使えるからこそ大切なのであって、お金そのものに価値があるわけではないということです。

お金は単なる約束事の記号であることが、おわかりいただけたでしょうか。

 

 

*この記事以外にもコラムをアップしています。その他コラムはインベスターズギルドのコラムサイトでご覧ください。http://investorsguild.jp/column/essence-of-money/

 

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