不動産投資をはじめる前に必ず知っておくべきこと

おはようございます。
資産運用学教授の長岐(ながき)です。
私は、銀行員だった経験に基づき、お金に関する基本的なことを分かりやすく、お伝えしていきます。

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不動産投資の3つのデメリット

ここでは不動産投資のデメリットについて考えます。大きく分けて3つのデメリットがあります。

 

① 売買に時間がかかる

 

不動産取引は特殊な場合を除き、相対取引が基本です。

すなわち売主と買主が個別に交渉し、売買の合意を得てからそれぞれ準備を行い、準備が整った段階で決済を行うという一連の手順を踏む必要があります。

そのため、一つの売買が完了するまでには、通常一カ月以上かかります。

不動産は買う時も時間がかかりますが、売る時は募集時間もかかるのでさらに時間が必要です。

したがって、株とは違い「すぐに換金できない」というデメリットがあります。

専門的な言葉では、「流動性が低い」と表現します。

 

② 情報公開が限定的でわかりにくい

 

不動産取引は相対取引が基本なので、情報が広く出回ることはあまりありません。また、誤解を恐れず言うならば、不動産業界はまだまだIT化が進んでいない状況です。一般の人が不動産情報との接点を持つ機会は限られていて、そのことが不動産取引のハードルを高くしているとも言えます。

 

③ 借金を抱えることになる

 

サラリーマンにとって大きな借金を抱えることはとても不安なことです。

バブル期に不動産投資で痛い目に合った方は、なおさら不動産のために借金することに抵抗があるかもしれません。

億単位の借金をすることは精神に大きなストレスを与えます。この心理的な抵抗感を「借金の億の壁」と呼んだりします。

ただ、今後不動産投資を継続的に行っていこうと思うのであれば、精神的な借金の壁を乗り越える必要があります。

そのためのコツは、自分の中の常識を変えることです。間違っても、自分の給料で返済できるかどうかなんて考えてはいけません。(返せるわけがありません!)

 

これらのデメリットについては、投資を始める前にしっかりと認識して覚悟しておきましょう。いざ直面した時に焦っていては判断に迷いが生じてしまいます。

不動産投資の良しあしの見極め方とは?

デメリットを怖がっていては、不動産投資を始めることができません。デメリットについて理解しつつも、メリットの大きさに目を向けて、さあ始めてみましょう。

ここでは投資用不動産の良しあしの見極め方について説明します。

 

3つのポイントに注目しましょう。

 

・利回り

・資産価値

・キャッシュフロー

 

「利回り」というのは、不動産の元本である価格と、果実である賃料との関係を表したもので、不動産の収益性を表す指標です。以下の式で計算します。

利回り = 賃料収入 ÷ 価格

 

「資産価値」とは、不動産をすぐに処分した場合の市場価格を表します。具体的には、その不動産の積算価格によって表わされる価値です。資産価値として重視されるのは土地の価格です。なぜなら、土地は時間の経過に伴って劣化することはなく、決して価値がなくならないからです。

 

「キャッシュフロー」は、不動産から得られる賃料収入から、ローン返済額や費用を控除した後に手元に残る現金収入のことです。キャッシュフローは、所得税、住民税、事業税等の税金を控除する前の税引き前キャッシュフローと、控除後の税引き後キャッシュフローにさらに分類できます、

 

これら3つのポイントの中で最も重要なのが「キャッシュフロー」です。なぜならば、不動産投資を継続して行っていくためには最終的に手元に現金がいくら残るのかがいちばん大事だからです。

不動産購入を検討する際には利回りばかり気にして判断しようとする人が多いのですが、利回りはあくまでも元本と果実の相関関係を示す指標に過ぎまず、相対的なものです。いくら表面上の利回りが高くても、不動産を維持する費用が高いなどの理由で手元に残る現金が少ない、あるいはマイナスになるのでは、投資としては成功とはいえないでしょう。

 

不動産投資を成功させるためには、これら3つのポイントをクリアした物件を購入することがいちばんの近道です。見つけるのはなかなか困難ではありますが、無いということは決してありません。ぜひ、3つの要素を満たした「お宝物件」を探し出して、手に入れましょう。

自己資金が少ない人におすすめの“リート”

銀行員は、不動産投資が大好きです。

そのもっとも大きな理由はキャッシュフローを生むことですが、それ以外にも大きな魅力があります。それは「購入のための資金を銀行が貸してくれる」ということです。そんな投資物件は、他にはありません。

 

銀行にとってもメリットが大きいのは不動産購入ローンなのです。不動産は毎月家賃が入るため返済の原資には事欠きませんし、万が一の場合のために物件は担保にとってあります。比較的リスクの少ないローン商品なのです

 

ただ、やはり借り入れのリスクは常にありますし、自己資金がすくない場合には、いきなり大きな金額を借りることは困難です。

そんな場合はリートへの投資も検討してみましょう。リートとは、「Real Estate Investment Trust」の略です。日本のリートはJapanのJをつけてJ-REIT(ジェイリート)と呼ばれます。

 

リートとは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなどの複数の不動産を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。すぐに不動産を買えるほどの資金はないけれど、不動産投資をしてみたいという方は、まずはJ-REITを始めるといいと思います。証券取引所にも上場しているので、金融商品としての流動性が高いというメリットもあります。

 

 

*この記事以外にもコラムをアップしています。その他コラムはインベスターズギルドのコラムサイトでご覧ください。http://investorsguild.jp/column/realestate-step/

 

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