必ず作っておきたい自分自身の“P/L”と“B/S”の話
おはようございます。
資産運用学教授の長岐(ながき)です。
私は、銀行員だった経験に基づき、お金に関する基本的なことを分かりやすく、お伝えしていきます。
まずは自分のP/Lを作ろう
いきなり財務諸表をつくれと言われても、「は?何それ?」という方も多いでしょう。
会社員の方でも、経理財務部門での仕事に携わっていなければあまり見る機会はないものです。
まず、P/L(損益計算書)というのは、収益に対する費用と利益のバランスを見るものです。
収益-費用=利益
ということです。基本的に足し算と引き算の世界なので、難しいことではありません。
ただし、ここで出てきた答えの数字そのものにはあまり意味がありません。
その数字を時系列で見て、前月と比べてどうか、一年前と比べてどうかという比較を行うことが重要なのです。
個人でP/Lをつくるのはいくらの収入があって、そのうちどういうことにどれくらい使ったのか、その結果いくら残ったのかという全体像の推移を確認することが目的です。
以前、3つの財布を持とう!というお話をしました。
簡単に復習しておくと、3つの財布というのは「お札入れ」「小銭入れ」「領収書入れ」のことです。
P/Lをつくる際には、この中の「領収書入れ」が活躍します。
領収書入れに貯まったレシートや領収書は、その日のうちにメモ書き程度で構わないので整理するようにします。
毎日の記入や計算が面倒なら、ノートにレシートを貼っておくだけでもOKです。
そして、月末になったら少しゆっくり時間を作って、それらを集計していきます。
用意するのはまとめたレシートと記帳した通帳です。
何を買ったのか、何に使ったのかなど、細かく仕分けする必要はありません。
大まかに次の4つのカテゴリーに分類して、カテゴリーごとの合計を出し、全体に対する割合をチェックします。
○固定費(目標は、収入の40%以内)
○やりくり支出(目標は、収入の40%以内)
○貯蓄(目標は、収入の10%)
○非常時用の積立(目標は、収入の10%)
目標通りにできているかを、しっかり確認してください。
月末時点での自分のB/Sをつくる
B/S(貸借対照表)というのは、資産と負債と資本のバランスを見るものです。
自分自身の資産の内容をしっかりと把握しましょう。
純資産(資本)=資産‐負債
となります。
当然、純資産を増やそうと思ったら資産はより大きく、負債はより小さくしていくという方向性が求められます。
次の3つについて月末ごとに集計しましょう。
○資産は何か?
預金、金融資産、株、国債、不動産、その他の権利収入(特許料や印税など)
それぞれいくらあるのか?
○負債はどのくらいあるのか?
住宅ローン、車のローン、キャッシング等の借り入れ、カードなどの未払い金、借金
それぞれいくらあるのか?
○純資産=資産-負債
現在、いくらあるのか?
自分自身のB/Sをつくると、思っているよりも純資産が少ないことに気づく人が多いと思います。
その「気づく」ことが重要なのです。
気づくことができれば、その後は純資産を増やすための発想や行動ができるようになります。
日々の行動が、お金を増やすための行動に変わっていきます。
お金の流れをコントロールするのは自分自身
このように自分自身のP/LとB/Sをつくってみると、自分のお金の状況がはっきりと見えるようになります。
現状を把握することで、今後どうしていきたいかについても具体的な目標を立てることができます。
P/Lにしろ、B/Sにしろ、重要なことは「大まかなお金の流れを読みとる」ことです。
一見難しそうに感じたり、とっつきにくいように思ったりするかもしれませんが、基本的な会計の知識と「お金を増やしていきたい」という気持ちがあれば、大丈夫、きっとできるはずです。
最低限の会計の知識は、これからお金持ちになっていくなら、ぜひとも身につけておきたいものですよね。
世界的に有名な投資家ウォーレン・バフェットは次のように言っています。
「あなたは会計を理解するだけでなく、会計の行間に潜む機微を理解する必要がある。会計はビジネスの共通語だ。
言語として完全とは言い難いものの、会計を学ぶ努力をしない限り、そして財務諸表を読んで理解する努力をしない限り、自分で株の銘柄を選択することなど夢のまた夢である」
バフェットは、ここでは株式投資について語っていますが、会計の知識は株式投資だけでなくお金に関わることすべて、とくに「お金を増やすため」のことすべてに有効なものです。
だから銀行員を始め、お金を増やそうとしている人たちは、自分の個人資産についてもP/LとB/Sをつくっているのです。
それがお金を増やすために欠かせないものであると知っているからです。
*この記事以外にもコラムをアップしています。その他コラムはインベスターズギルドのコラムサイトでご覧ください。http://investorsguild.jp/column/self-financial/
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